蛋白漏出性腸症のわんちゃんのために
超低脂肪食 ULF は 蛋白源 1 : 穀類・炭水化物等 2 の割合です。
どの食材にするかは、アレルギーなど考慮しつつ、様子をみつつ、の判断です。
これが一番難しいのですが・・・。
炭水化物は1種類もしくは2種類です。
ただでさえ栄養が偏るので、可能ならば2種類あげたいと思うのが、親心・・・
ですが、体調をみながら無理をせずです。
とりあえず、取りかかりやすいように、100kcal用と300kcal用のレシピです。
食材の比率はカロリー比になります。 1:2 もしくは 1:1:1 で組み合わせてくだい。
*計算は四捨五入で行っています。また、0.1に満たない値も0.1としています。
ささみ1:じゃがいも1:ご飯1の場合
100kcalのごはん(全体量86g うち 蛋白質8.0g 脂質0.4g) | |
---|---|
ささみ | 34kcal分=27g うち 蛋白質 7.4g 脂質 0.3g |
じゃがいも | 33kcal分=39g うち 蛋白質 0.6g 脂質 0.1g |
ごはん | 33kcal分=20g うち 蛋白質 0.5g 脂質 0.1g |
300kcalのごはん(全体量259g うち 蛋白質23.7g 脂質1.1g) | |
ささみ | 100kcal分=80g うち 蛋白質 21.8g 脂質 0.8g |
じゃがいも | 100kcal分=119g うち 蛋白質 1.8g 脂質 0.1g |
ごはん | 100kcal分=60g うち 蛋白質 1.5g 脂質 0.2g |
食材ごとの一覧
100kcalのごはん用 | | | 300kcalのごはん用 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
kcal | 量 | 蛋白質 | 脂質 | | | kcal | 量 | 蛋白質 | 脂質 | |
ささみ | 34 | 27g | 7.4g | 0.3g | | | 100 | 80g | 21.9g | 0.8g |
むね肉 | 34 | 28g | 6.9g | 0.6g | | | 100 | 83g | 22.6g | 1.6g |
豚ヒレ肉 | 34 | 30g | 6.7g | 0.6g | | | 100 | 87g | 19.8g | 0.4g |
七面鳥 | 34 | 33g | 7.5g | 0.2g | | | 100 | 94g | 22.2g | 0.7g |
マダラ | 34 | 44g | 7.8g | 0.1g | | | 100 | 130g | 22.9g | 0.3g |
じゃがいも | 33 | 39g | 0.6g | 0.1g | | | 100 | 119g | 1.8g | 0.1g |
さつまいも | 33 | 25g | 0.3g | 0.1g | | | 100 | 76g | 0.9g | 0.2g |
さといも | 33 | 56g | 0.8g | 0.1g | | | 100 | 170g | 2.5g | 0.2g |
ごはん | 33 | 20g | 0.5g | 0.1g | | | 100 | 56g | 1.5g | 0.1g |
タピオカ(乾) | 33 | 9g | 0.1g | 0.1g | | | 100 | 28g | 0.1g | 0.1g |
*タピオカ(茹) | 33 | 35g | 0.1g | 0.1g | | | 100 | 110g | 0.1g | 0.1g |
*タピオカは茹でると約4倍の重さになります。が、茹で具合にもよるので参考程度に・・・
他にも、カツオ・マグロの赤身・カレイ なども低脂肪なのですが、魚は季節や産地によって脂質の変動(脂ののりが・・・)が大きい点、そして費用がけっこう嵩むのであまり現実的ではないかもしれません。
と、ここまで書いておきながら・・・ではありますが・・・。
このカロリーや栄養成分は、文部科学省が出している栄養価データに基づく数字です。
実際、今、目の前にある食材が、この栄養価なわけではありませんので。。。
何が言いたいのかというと・・・。
たとえば、お肉にしても、おいもにしても、産地や時期や育て方、品種によって、味がまったく違います。
さつまいもやお米などは良い例だと思いますが、味の違いというのは成分比の違いになりますので、ひとくくりに お米 さつまいも と言ってもどれだけ成分が違うのか・・・?
お肉類にしても同じです。
もうかれこれ、ささみを何十キロと調理してますが、ゆであがった後に浮いている油の量はその時々でまったく違うのです。 それだけ、含まれている脂の量も異なっているということなんですよね。。。
当然といえば当然のことなのですけども。
なので細かいグラムを気にしすぎても、仕方ないのかなっていうのも本音です。 目の前の食材のホントの栄養価はわからないのですから・・・(^^;
公のデータですから、実際と大きく違うわけでもないとは思いますけど・・・。
なので、基本は抑えていただきたいけれど、あまり神経質にならず、大らかに取り組んでいただけたらと思います。 あまり細かく数字に囚われても仕方ないので・・・(と、自分に言い聞かせてます・・・^^;)
100g あたりの値 | |||
---|---|---|---|
kcal | 蛋白質 | 脂質 | |
ささみ(ゆで) | 125 | 27.3g | 1.0g |
むね(生) | 121 | 24.4g | 1.9g |
豚ヒレ(生) | 115 | 22.8g | 1.9g |
七面鳥(生) | 106 | 23.5g | 0.7g |
マダラ(生) | 77 | 17.6g | 0.2g |
じゃがいも(蒸し) | 84 | 1.5g | 0.1g |
さつまいも(蒸し) | 131 | 1.2g | 0.2g |
さといも(水煮) | 59 | 1.5g | 0.1g |
ごはん(白米) | 168 | 2.5g | 0.3g |
タピオカ(乾燥) | 351 | 0.1g | 0.2g |
! warning !
こちらでご紹介する食事療法は、蛋白漏出性腸症 PLE の原因疾患が、IBD(炎症性腸疾患)と IL(リンパ管拡張症)である場合に特化したものです。他に持病がある場合は、症状を悪化させる可能性があります。
特に腎疾患(高タンパクNGです)、ガン(脂質が必要です)など・・・。
また、しつこいようですが、実践される際はご自身の責任において獣医師と相談しながら行っていただきますようお願いいたします!
また、再度の注意点ですが、超低脂肪食 ULF は長期間行ってよいものではありません。症状が改善、ALBが安定したら LF へ移行しましょう。