リンパ管拡張症 IL とは

消化管粘膜などにあるリンパ管からタンパク質やアルブミンが異常に漏出している状態をいいます。

正常時のリンパ管は開いたり閉じたりするもので、正常な状態でも多少はタンパク質やアルブミンが漏出しています。

ですが、何らかの原因によりリンパ圧が上昇しリンパ管がうまく閉じることができない(閉じにくい)状態を「リンパ管拡張症 IL」といいます。

閉じにくい状態であるため、多量のタンパク質やアルブミンが漏出してしまうのです。

その結果、栄養として吸収されるタンパク質や肝臓で合成生産されているアルブミンよりも、消化管粘膜から漏出する量が多くなり(漏出と生産のアンバランス)、「低アルブミン血症」や「低蛋白血症」を生じます。

「リンパ管拡張症 IL」には

  • 原発性リンパ管拡張症(リンパ管拡張症のみ)
  • 二次性リンパ管拡張症(炎症性腸疾患 IBD からの併発)

とがあります。

「原発性リンパ管拡張症」の原因は不明です。
免疫機能の異常、遺伝的要素(特発犬種があります)、加齢、食事内容などが関与しているとみられています。

また「二次性リンパ管拡張症」の原因は「炎症性腸疾患 IBD」ですが、「炎症性腸疾患 IBD」の原因が不明なため、結局のところこちらも原因不明ということになります・・・。

直接的な原因は不明ではありますが、症状を改善させるには、食事の脂質の制限が有効であることが解ってきています。

食事療法を行う上での注意点

  • 原発性リンパ管拡張症は、低脂質で高タンパク、消化吸収のよい食事
  • 二次性リンパ管拡張症は、「炎症性腸疾患 IBD」悪化の要因となるアレルゲン食材を除去した低脂質で高タンパク、消化吸収のよい食事